統合失調症について
統合失調症とは
統合失調症は、脳の働きのバランスが崩れることで、思考・感情・行動・現実の受け取り方が影響を受ける疾患です。
主に青年期から発症することが多く、生涯におよそ 100 人に 1 人がかかるとされる一般的な病気です。
脳内の神経伝達物質(特にドパミン)の異常が関係していると考えられており、ストレス、生活環境、遺伝的要因等様々な要因が複合して発症するとされています。
適切な治療により、多くの方が安定した生活を送ることが可能です。
主な症状
統合失調症の症状は大きく「陽性症状」「陰性症状」「認知機能障害」に分けられます。
陽性症状
普段は存在しないものが“過剰に現れる”症状です。
- 幻覚(主に幻聴…他人の声が聞こえる、命令される など)
- 妄想(被害妄想、関係妄想など)
- 思考の混乱、まとまりにくさ
- 興奮、不安の高まり
症状が強いと、現実の状況が見えにくくなり、生活が大きく乱れることがあります。
陰性症状
本来あるはずの力が低下してしまう症状です。
- 無気力、無関心
- 感情の平板化
- 引きこもりがちになる
- 会話量の減少
- 意欲の低下
治療が長期になったり、社会生活に影響が出ることが多いため、適切な支援が重要です。
認知機能の障害
- 注意力が続かない
- 計画性が低下する
- 記憶力の低下
これらは学業・仕事・対人関係に影響することがあります。
統合失調症の経過
統合失調症は、主に以下のような経過をたどることがあります。
前駆期
眠れない、疲れやすい、人づきあいが苦手になるなど、目立たない症状が徐々に現れます。
急性期
幻覚や妄想など陽性症状が強くなり、日常生活が困難になります。
この時期は入院治療が必要になることがあります。
回復期
薬が効き始め、症状が落ち着いてきます。社会復帰に向けた準備を行います。
維持期
再発を予防し、安定した生活を続けるための治療が中心になります。
治療方法
統合失調症の治療は「薬物療法」「心理社会的治療」「生活支援」を組み合わせた総合的なアプローチが基本です。
1.薬物療法
治療の中心となるのは抗精神病薬です。
- 幻聴・妄想などの陽性症状を改善
- 再発予防に有効
- 効果・副作用のバランスを見ながら最適な薬を選択
近年の抗精神病薬は副作用が少なく改良されており、日常生活を保ちながら治療できる薬が増えています。
必要に応じて、
- 不安を和らげる薬
- 睡眠を整える薬
なども併用します。
2.心理社会的治療
薬物療法と並んで非常に重要な治療です。
認知行動療法(CBT)
症状に対する受け止め方を整え、ストレスを軽減します。
生活技能訓練(SST)
コミュニケーション方法を練習し、対人関係のトラブルを減らします。
作業療法
生活リズムの改善や体力維持、社会参加の準備を行います。
家族支援・家族教室
ご家族が病気を理解し、適切に関わることで再発予防に大きく役立ちます。
3.社会復帰支援
病気が落ち着いたあとの「その人らしい生活」の実現を支えます。
- 精神科デイケア
- 就労支援(就労移行支援・就労継続支援)
- 訪問看護
- 生活リズムや金銭管理のサポート
多職種が連携し、社会参加を継続できるよう支援します。
医師、看護師、臨床心理士、作業療法士、精神保健福祉士などがチームとなり、
急性期からリハビリテーション、退院後の支援まで一貫した治療を提供します。
患者さんとご家族の不安に寄り添い、安心して治療を継続できる環境づくりに努めています。
